COLUMN
1 配偶者に与えられる在留資格 2 帰化と国籍など 3 日本国籍を取得した場合のタイ国籍
4 どうしてこういう問題を

 

 2    配 偶 者 の 在 留 資 格 と 国 籍
更新日時:
2002/05/25
 
 
1、配偶者に与えられる在留資格
 
 私の妻は、法務省入国管理局から、在留資格認定証明書(在留資格・日本人の配偶者等)を取得し、さらに在タイ日本大使館でビザの発給を得て、平成10年6月に来日しました。当初の在留期間は1年で、平成11年5月に更新し、平成14年3月、永住権を取得しました。
永住許可申請に関しては、次の項目でコラムにアップしました。
 また、帰化申請に関しても、具体的な検討に入りました。
 
 なお、入管の在留資格認定証明書の発給を受けずに、90日の短期ビザを取得して、来日後、日本人の配偶者等の在留資格を取得する方法も、取りうる手段です。
 在タイ日本大使館のサイトを開くと「短期滞在は原則として他の在留資格への変更は認められていない」と書かれています(入管法20条3項但書)。しかし、現実には短期滞在査証で入国後、日本の入管において、日本人の配偶者等の在留資格への変更申請を受理しております。一般に1,2ヶ月程度で許可されているように見受けます。
 短期滞在査証で入国した場合、本来はいったん帰国して、在留資格認定証明書に基づき、再度、在タイ日本大使館で査証の発給を受けて再来日すべき理屈なのですが、在留資格の変更申請により、そのまま在留を継続できるような形を取ることも可能になっています。
 ただし、問題は、短期滞在査証が若いタイの女性にはほとんど発給されていないことで、発給されるのは「日本人の妻であって、日本人の子供を同伴する」というような特殊な事例に限られているようです。
 
<在留資格認定証明書交付申請>
 
『日本人の配偶者等』の在留資格取得のための申請に必要な添付書類は次のとおりです。
1)申請書(配偶者が代理人として記載)
A写真4センチ×3センチ2枚(本人)
3)戸籍謄本(配偶者)
4)住民票(配偶者)
5)在職証明書(配偶者)
6)住民税課税証明、源泉徴収票、確定申告書写のいずれかで、年間所得及び納税額の記載のあるもの(配偶者)
7)『質問書』と題する陳述書(配偶者)
8)親族の概要
9)スナップ写真(二人で写っているもの)2枚
10)パスポート写(配偶者)
11)パスポート写(本人)
12)婚姻証明書(本人)と翻訳文
13)住居登録証(本人)と翻訳文
14)改姓改名証明(本人)と翻訳文・・・強制退去歴がある場合
15)国際電話領収書等参考資料
 
これには、入管が要求はしていないが、添付した方がベターな書類も含まれています。
 
<在留資格認定証明書を取得の上、査証(ビザ)取得申請のための添付書類>
 
1)パスポート(残有効期限6ヶ月以上で余白2ページ以上)
2)査証申請書
3)写真4.5センチ×4.5センチ1枚(本人)
4)在留資格認定証明書 原本・写各1通
5)婚姻に至る経緯書(配偶者が日本語で、できるだけ詳細に記載したもの。タイ語訳を作成し、タイ人配偶者によく理解させておいたほうがベターと思われる)
6)婚姻証明書(本人) 原本・写各1通
7)住居登録証(本人) 原本・写各1通
8)改氏・改名の証明書及び出生証明書(改氏・改名をしたことがある場合のみ)
9)過去に発給を受けたパスポート及び渡航証明書のすべて
10)配偶者の旅券写し(氏名、写真、出入国印の部分)
11)場合により、参考となるスナップ写真、国際電話利用明細書等
  <在タイ日本大使館電話番号>
   259−0444  259−0725  258−9915
 
 
2、帰化と国籍など
 
 (1) 日本国籍法7条後段の規定によれば日本国民の妻となって3年を経過し、1年以上日本に住所を有していますので、私の妻は、帰化許可の最低要件を具備していることになります。
 しかし、日本の法務行政は、この点を大変厳しく審査しており、実際には、日本において少なくとも10年程度の婚姻生活の実績を求められるのが通例のようです。
 また、日本国籍法は、帰化要件として出身国の国籍離脱を要求しております。
 タイ国籍など要らないではないか、と思われる日本人もいるでしょう。この点の価値判断は、人それぞれかも知れません。
 しかし、妻や妻側の親族の感情的問題は、無視できません。
 また、後に記すように、夫である私が将来タイに住みたいと考えた場合は、妻のタイ国籍は大変重要です。
 
 (2) タイにおける不動産所有に関しては、<コラム6 妻の国で暮らす>に記載しますが、タイ国法では、外国人の不動産所有は極めて制限的な規定となっています。
 また、これは先年、撤廃されたのですが、タイ国の国民であっても外国人と結婚した場合には、土地の所有名義人となれないという規定まであったのです。
 いずれにしても、母国でいくつかの土地を所有している妻は、今、タイ国籍を離脱するわけにはいかないのです。ことに私がいつまで生きるのか、まだ40歳になったばかりの夫であってもいつ死ぬかも知れない、あるいは、日本人の夫を持つ友人が離婚しそうな状況にあるのを見て、自分もいつどうなるかわからないと思っているでしょうから、母国の土地は重要でしょう。
 また、これは立法ではないのですが、タイでは相続について、母系末子相続を慣習としています。つまり、母親から末娘に財産を相続させていくのを原則としておりますので、私は跡取娘を妻にしてしまったことになります。妻が容易にタイ国籍を離脱することのできない理由に、このような慣習も一つの要素となっているのです。
 
 
3、日本国籍を取得した場合のタイ国籍
 
2001年1月、在ベルギー・タイ大使館の回答(抜粋)
 
Most Questions Asked on Thai Citizenship
 
Question :
If a person of Thai nationality is married to a foreigner and has acquired his/her spouse's nationality, does that person lose his/her Thai nationality?
 
Answer :
According to the Thai law, the person still hold Thai nationality, unless
he/she wishes to renounce to his/her hai nationality by declaring his/her intention to the competent authority, or his/her Thai nationality is revoked by the Government of the Kingdom of Thailand.
 
Question :
Can a person of Thai nationality, who has previously renounced his/her nationality, recover his/her Thai nationality?
 
Answer :
A person is entitled to apply for recovery of Thai nationality by filing an application to the Consul.
 
Question :
Can the non-Thai spouse of a Thai citizen apply for Thai nationality?
 
Answer :
Eventhough the spouse of a Thai national is a citizen of a foreign country, he/she can apply for the Thai nationality to the Embassy of Thailand.
All relevant documents attached to the application must be certified by designated authorities.
Documents issued by the Government of a foreign country is to be examined and certified by designated authorities.
If the document is in a foreign language besides English, it must be translated into Thai, then examined and certified by the designated authorities.
If any of the attached document is a copy, it must be certified as true copy by the designated authorities.
 
______________
 
 タイでは、国民人口を国力と考えるせいか、国籍離脱が大変面倒です。そこで、日本の法務行政と異なり、タイ国籍を自ら離脱したか、あるいは剥奪されていなければ、タイ国籍は有効らしく、現に日本人配偶者から日本国籍を取得して、日・タイ2通のパスポートを持つ人もいるとのことです。
 
 
4、どうしてこういう問題を取り上げるのか
 
 私が、国籍の問題などをどうこう言うのは、やはり、妻や子との生活を守っていきたいからです。婚姻、ビザと来たら、次は、国籍や永住権の問題にぶち当たるのです。ビザやパスポートの更新といった面倒な手続や、あるいは、外国人として強制退去になる虞のない、安定した生活を送りたいからです。
 もし、妻が自動車の運転をして事故を起こし、例えば禁固1年を超える判決を受けたとします。こうなりますと、入管法上は、在留資格があっても強制退去させることができるとされています。道路交通法も入管法もどんどん厳しい方向に法改正され、強制退去をさせやすい立法措置に変えられつつあります。
 仮に永住許可を得ていても、強制退去の対象たりうる点は、同じなのです。日本における居住歴などを勘案して、強制退去させない旨の特例の申請はできることにはなっていますが、外国人が不安定な立場に置かれていることに変わりはありません。
 それと、外国人登録証の所持が義務付けられていて、不所持だけで、懲役又は罰金の処罰規定があります(単純な不携帯は罰金のみに法改正されました)。外登証をうっかり持ち忘れていて、自宅近くで逮捕され、40時間も拘束された方もいます。いずれにしても、この国で、外国人として暮らしてゆくのは容易なことではありません。



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